あたしの1番大切な人
下に降りてリビングのドアを開けようとしたら
ドアごしからママとパパと真琴が一緒に話してる声が聞こえて、
ドアから耳を澄まして聞くことにした。
なに話してるんだろ…?
『―――~…真琴、ありがとね』
『僕からも礼を言うよ。ありがとう。杏奈があそこまでちゃんとやってくれるようになったのは、真琴、君のおかげだ。助かったよ。だけど、杏奈の勉強見るのよく引き受けてくれたね』
『とんでもないです。俺、幼なじみですから。これくらいはしてあげなきゃ。俺があいつにしてあげれることは、これくらいですから』
『そうかしら?私達からしたら、真琴がいてくれて他にもいろいろと助かってるのよ?だって杏奈がピアノを始めたのも、ミニバスを始めたのも、きっかけはなんでも真琴なんだから』
『――きっかけが俺なんて。とんでもないです。始めたのは全部杏奈の意思であって、杏奈はただ見ていただけなんで』
『まあ、いいわ。真琴、ありがとう。これからも杏奈の面倒お願いね』
『あ、はい。お任せ下さい』
『ママ、そろそろ杏奈が降りてくるんじゃないか?』
『…ええ、そうねパパ。じゃあ真琴よろしくね』
『はい』