あたしの1番大切な人
受験高まで行く距離が、かなり長く感じた。
「ねぇ真琴?……去年のテストって難しかった?」
「…は…?いまさらなに聞いてんだよ」
「――だってーぇ。緊張してきたんだもん…」
「…あははっ。杏奈らしいな。……でもま、心配無用。心配しなくても大丈夫。去年の俺はかなり余裕こきながらテスト受けてたよ。問題はそのあとの面接だろうけど…。杏奈ならなんとかなる!この俺が、わざわざ時間をさいてまで教えたんだぜ?心配する必要なんて一つもねーよ?」
――ああ、そうだった。
この男はそういうやつだった。
なんでもこなしちゃう
天才……か。
いつも自信過剰で
怖いもの知らずな真琴だもんね。
なんとなく…
――わかってた。