秘密の図書室 ~私と彼の特等席~
…あーあ。
すごいありさまだ……。
せっかく作ったのになあ…。
もったいないし、食べようかな…。
そう思って、ハシを手に持ったとき
「え、それ食べるの?」
背後から、驚いてる男の子の声がした。
振り返ってみると、同じクラスの中野くんがいた。
中野くんは、特別カッコいいってわけでもないし、
特別1人身長が高いってわけでもない、普通の男の子。
「う、うん……。まあね」
中野くんもさっきの光景を見ていたはず…。
だから言い訳するわけでも、なんでもない。