秘密の図書室 ~私と彼の特等席~
中野くんは「そっか…」と呟いたあと、私の隣の席に座った。
ゴトっと机に置いた中野くんのものを、チラリと見ると
どうやらお弁当だった。
「これ、花見さんにあげる」
それは、机に置いてあるお弁当で。
「へ…っ!? そ、そんなのいいよ!」
「俺、今日食欲ないんだ。食べないと親に心配されるし、ね?」
うう……。
そんな言い方ずるいなあ…。
「ほ、ほんとにいいの…?」
遠慮がちに言うと、中野くんはニコっと笑って
「もちろん」
そう、嬉しそうに言った。