それはとっくに恋だった
電話が鳴ったのは、梨央と別れて家に着いてすぐだった。


携帯をみると着信は颯太からだった。


どうしようかと迷ったが、梨央との約束もあるし、それに画面の端に表示された日付を見て、私は思わず通話ボタンを押した。


『もしもし?真尋?』


「颯太。お誕生日おめでとう。」


『え?』


「今日、誕生日でしょ?」


『覚えててくれたんだ。』


「当然でしょ?」


好きなんだから。



『なぁ、真尋。』


「何?」


『俺、合コン行くのやめる。』


「うん。」


『梨央のことも諦めない。』


「う、うん?」


『だからさ、また誘ってもいい?』


「・・・・・いいよ。」


『良かった。じゃあ、それだけだから。』


「うん。」


『おやすみ。』


「おやすみ。」




電話を切ると、涙があふれた。


颯太はずるい。


もういいやと投げやりになった気持ちを、諦めようと遠ざけようとした想いを


電話一本でもとに戻してしまった。
 
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