それはとっくに恋だった
「妊娠したって聞いたとき、びっくりしたけど、嬉しかった。」


「嬉しかったの?!」


予想外の言葉に驚く私。



「あぁ。必死に隠したけど。」



「何で?」


「真尋が嬉しそうじゃなかったから。」


私はその言葉を聞いてハッとした。



確かに、妊娠を報告したとき、私は颯太が何を言うのか不安でしかたなかった。


どう見ても喜んでいるようには見えなかっただろう。



「ゴメン。颯太がどんな反応するか不安で・・・」



「わかってる。だから、それも付き合う時にちゃんと告白しなかった俺のせい。」


「違うよ。元はと言えば達也君が好きだって嘘ついて騙してた私が悪いんだよ。」


「真尋は嘘なんかついてないよ。」



「え?」



「だって俺、真尋の口から達也が好きだなんて一言も聞いたことない。

 俺が勝手に勘違いしてただけ。」


「・・・・」


確かに、颯太に達也君のことが好きだとは言ったことはない。


だって、私が好きなのは颯太だったから。
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