白くなったキャンバスに再び思い出が描かれるように
 「沙織、仕事どうだった」と訊いた。「沙織」と自分の名前を僕が呼んだことを、今になって恥ずかしくなったようで

 「う、うんとっても新鮮で楽しかった」そしてナッキも「私もちょうどいいリフレッシュになるよ」そう言っていた。

 そして「た、達哉さ……」さんをつけようとしたが飲み込んだ。


 「達哉も、ものすごくかっこよかったよ」


 僕の前に大きく二歩前に出て髪を靡(なび)かせ振り返りながら言った。

 そんな彼女を、オレンジ色の夕日が照らしていた。

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