雪の降る日に、願いを消して
簡単そうで、難しい約束だった。


好きな気持ちになると相手の一挙手一投足に敏感に反応してしまう。


だから思わず目を背けてしまいそうになるときもある。


だけど、好きという気持ちを持ち続ける限りは自分に嘘はつかないこと。


「……いいよ」


紗英が頷くのがわかった。


あたしは紗英からそっと身を離す。


紗英の涙はいつの間にか消えていた。


「約束ね。お互いの気持ちを大切にしよう」


あたしはそう言うと、紗英と指切りをしたのだった。
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