フォーチュン
アンジェリークを見つけることは、俺の最優先事項となった。
そこに私欲が混じっていることは否めない。
しかし、アンジェリークは俺の妃になる王女であり、ひいてはドラークの未来に関わる事でもある。
だとしたら、占術師・愚者(フール)の力を借りる許可を、父上も出してくれるだろう。

バルドー国からドラーク王国の王宮まで到着するのに、最短で2日かかる。
その間にもアンジェリークがどこにいるのか、どこへ移動をしているのか、ユーリスは気が気でなかったと言えば嘘になる。
しかし、移動の途中に通る国にいちいち寄ってアンジェリークを探したり、4名の護衛を分担させてアンジェリークを探させることは、逆に時間のロスになると、ユーリスと護衛の者たちは十分承知していた。

とにかく、まずは母国へ戻り、体制を整えることが先決だ。
幸い、ドラークへ戻る道中2日間は、晴天に恵まれた。
イコール、アンジェリークにとっても、絶好の移動日和だったと言えるのだが・・・ユーリスは、ポケットに入れているアンジェリークの写真に触れることで、努めてそれを気にしないようにしていた。
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