フォーチュン
ⅩⅩⅠ
大きなベッドが占領している一室へ入ると、女性が蝋燭を灯そうとした。
しかしユーリスはそれを即座に制する。

「灯りは必要ない」
「あ・・・然様でございますか」

白いドレスの開いた胸の谷間を、ユーリスがスッと人差し指で撫で上げると、女性の体は悦びでかすかに震えた。
続けてドレスの上から、豊かな胸を大きな手で揉みしだくと、「あぁん」と甘ったるい喘ぎ声を上げる。

「そうだ・・・目を閉じていろ」

黒い目はアンジェリークじゃない。
アンと違う目など見たくもない。

キスをせがむように顔を上げる女性の要望を、ユーリスは完全に無視した。
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