フォーチュン
「・・・とにかく、我々も街中へ行く。ユーリス様を見つけ次第、いつもどおりの護衛に入れ!」
「はっ!」

2・3歩駆け出したコンラッドだったが、ふと思い出したように立ち止まると、ふり返って愚者を見た。

「これで良いか?愚者」
「はい」

それはユーリス様が見つからないという意味なのか?
それとも俺の指示が正しかったのか?
どちらにしても、俺たちは俺たちの仕事をしなければならない。
だから都合良く後者と解釈しておこう。
とにかく、ドラーク王国の占術師・愚者(フール)に逆らうことはしていない。
そんな不文律を犯してはいない。
そうコンラッドは言い聞かせて、街中へと駆けていった。

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