フォーチュン
「・・・ハンナさんとヤンさんは、私の逃亡の手助けをしたけれど、でもそれ以上に親身になって私のことを助けてくれたんです。だから罰するなんて・・・」
「それは俺がすることではないが・・・そうだな、女帝と帝に深く言う必要はないだろう」
「ええ、そうですわね」
「俺だったら、あの二人にこの地での永久商売権を与えるだろうな」

アンジェリークがピタッと立ち止まる。
ユーリスは後ろを振り返って、微笑みながらアンジェリークを見た。

「あの二人は俺のアンを助けてくれた上に、今では俺の友人でもある。それくらいの礼をすることしか思い浮かばないが・・・」
「まあ!何て素晴らしいの!後で母様に相談します!」
「ありがとう!」と言いながら、ユーリスに抱きつくアンジェリークを、護衛の者たちは、あぁまたいちゃラブ・・・と思いながら、物陰からそっと見守っていた。

「アン」
「はい」
「ドラークの王室は、そこまで化け物揃いではない。基本的に皆良い心を持った者ばかりだ」
「ええ、分かっています」
「それでも習慣の違いに戸惑うことや困ることも出てくるだろう。そのときは皆を頼れ。もちろん、俺のこともだ。全身全霊をかけて、おまえを愛し、守り抜く」
「はい」
「おまえに悲しい涙を流させないよう、努力をする」
「・・・私は、貴方がドラーク王国の王子でも、街の民でも、生涯をともにすると決めています。だって・・・貴方のことを愛しているから」

繋いだ手に少し力を込めたユーリスは、「俺もアンのことを愛している」とつぶやいた。

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