フォーチュン
「・・・魔術師(マジシャン)の正位置。ゼロは誕生、1は始まり・・・物事は可能性に満ちております。もしかすると、宴の日に出会いがあるやもしれませぬ」
「ほら見ろ!愚者の占術は必ず当たる・・・」
「お言葉を返すようですが。お許しいただければ」
「もちろんだ、愚者よ」
「これはワタクシの言葉ではございませぬ。これはユーリス様のご意志であり、万物の意志が、タロットを通してワタクシに語りかけてくるのでございます」
「そうだったな」
「ということは、今夜、俺の意志で誰かと出会うのか」
「かもしれませぬ」
そりゃめでたい。
だが、今日も茶番劇につき合うこっちの身にもなってほしい。
「そう憂いた顔をするな。この世に大勢レディはおる。その中からひとりで良い、おまえ好みのレディを探し出せ」
他人事だと思いやがって!
と父に向かって言うつもりはなかった。
それは、父上がここ、ドラーク王国の国王だからという理由だけではない。
父上自身もそうやって、妃である母上を見つけたのだ。
それに、俺が妃を見つけ、跡継ぎを生ませることは、国王としても関わりがあること。
だからこれは、父上にとって「他人事」ではないことは、俺自身がよく分かっているつもりだ。
ただ、俺の気が乗らない。それだけだ。
「ほら見ろ!愚者の占術は必ず当たる・・・」
「お言葉を返すようですが。お許しいただければ」
「もちろんだ、愚者よ」
「これはワタクシの言葉ではございませぬ。これはユーリス様のご意志であり、万物の意志が、タロットを通してワタクシに語りかけてくるのでございます」
「そうだったな」
「ということは、今夜、俺の意志で誰かと出会うのか」
「かもしれませぬ」
そりゃめでたい。
だが、今日も茶番劇につき合うこっちの身にもなってほしい。
「そう憂いた顔をするな。この世に大勢レディはおる。その中からひとりで良い、おまえ好みのレディを探し出せ」
他人事だと思いやがって!
と父に向かって言うつもりはなかった。
それは、父上がここ、ドラーク王国の国王だからという理由だけではない。
父上自身もそうやって、妃である母上を見つけたのだ。
それに、俺が妃を見つけ、跡継ぎを生ませることは、国王としても関わりがあること。
だからこれは、父上にとって「他人事」ではないことは、俺自身がよく分かっているつもりだ。
ただ、俺の気が乗らない。それだけだ。