浅葱色の恋心
【平助】



ぼーっとしている彩華だけど

土方さんが触るのを拒んだ


「煩い…黙っててよ…」


フラフラと歩き出した彩華を
行かせないよう立ちはだかる




「どうしたのさ?」


「なにが? どうもしないわよ?
退いてよ」


「ずぶ濡れで、酔っててぼーっとしてて
どうもしないなんて信じるかよ!」


「おめぇ… 」



土方さんが、彩華の首筋を見ながら
顔色を変えた



「アイツにやられたのか?」



嘘…



そんな…





「初めてじゃないから
気にすることないわ…
私は、こうして太夫になったの
汚い女なの… ふふっ」



「とりあえず屯所にこい!」


「大丈夫!帰れるから!ほら!
しっかり歩いてる!ふふふっ」



「彩華 全然大丈夫じゃないから!」



ニコニコしながら、俺たちに捕まらず

逃げた



置屋まで送るというか

つけてきた



「一 平助
私のこと、幼なじみとは思わないで
さよなら」



閉められた戸の前で


俺たちは、立ち尽くした









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