浅葱色の恋心
「皿の1枚、2枚で
怒鳴ることねぇだろ
お客がいるのに、るせぇ声だすなよ」


「最初が肝心なんだ!」


「すみません! すみません!」






「……彩華」







唖然とする幹部らを押しのけ

平助が、前に出た

どんなに探しても手掛かりのなかった

彩華が




バッサリと短く髪を切り

男装して

口調も荒く

以前より声が低かった






「女将… 客をここに連れてくるなって
言ったろ」

「堪忍」

「お客さん 見世物じゃないんで」

「彩華!」

「俺 そんな名前じゃねぇから
女みたいな名前で呼ぶな」


バレているだろうけど
他の従業員の手前

女とは、言えなかった


「すんまへん!!
口の利き方知らない子で!!
板前の晴太(セイタ)です!
変わり者で…すんまへん おほほっ」




プイッとそっぽ向く


「サッサと片づけろ」


「はい! っいた!!」


「……俺がする
向こうで手当てしてもらえ」


「すんまへん」



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