浅葱色の恋心
部屋に戻された幹部達



彩華の変わり様に

戸惑いを隠せない






「失礼します
お騒がせしたお詫びの品でございます」




女将とともに、彩華が部屋に


品を配り終えると



「女将 先に戻っててくれ」



彩華が部屋に残った





全員からの視線に

後ろ頭を撫でながら



「この通り 今、男として生きてるんで…
客として来るのは構わない
でも、関わらないでほしい」



平助が、彩華の前に行き

髪に手を伸ばす



「触るな!」

平助を拒む瞬間

スパン!!

襖が開いた


「失礼します! 晴太は、うちの板前で
女みたいな顔してるけど
口は、悪いし!乱暴だ!
でも!ここに必要なんです!」




「一平… ほとんど悪口じゃねぇか…」



「良いとこ探したつもりだ!!
お願いします!! 
新選組に連れて行かないで下さい!!」


彩華と一緒に働く、先ほどまで
娘を怒鳴っていた 一平


この名に親近感を持ち
仲良くなっていた


「今、人違いって誤解が解けたとこだ」


「!!! そうか!!
なら!新選組に連れて行かれないんだな!」


「何の話だよ?」


「女将が『晴太の喧嘩強さを聞きつけた
新選組が勧誘に来た』って!!
……違うのか?」


「だから… 人違いだって」


「晴太君 いつも美味しい料理ありがとう」


「いえ どうぞごゆっくり」



近藤が話を合わせてくれたので

ニコリと笑い、頭を下げた



「一平!行くぞ!!」


「晴太は、ここの板前ですから!!
勧誘は、しないで下さいね!!」


「しつこい奴だな!
勧誘なんてされてねぇ!!行くぞ!!」





しんみりした空気の中






「クククッ 相変わらず面白えな!
山崎が見逃したわけだ クククッ
まさか 男になってるなんてな!」


「笑い事じゃないですよ…
男でも、あんなに短い髪してないですよ」


「元気でなによりだ!!ハッハッハッ!!」




一と平助以外は

晴太を受け入れようとした




「綺麗な髪なのにな…」


「触るなって…」






< 216 / 401 >

この作品をシェア

pagetop