浅葱色の恋心
幼なじみに続いて

家族との

再会を果たし


永井の屋敷に宿泊するため





山崎に手伝って貰い


女に戻る

中途半端に伸びた髪に

つけ髪をして、高く結い上げられた



「折角や!化粧もしたらええ!」


「山崎さん… 楽しそうですね…」


「御人形さんみたいやさかいな」


「……そういう遊びしてたんだ?」


「? したことないんか?」


「ない」


「1度も?」


「ない!女の子とは、気が合わなくて」


「なるほど 元々中身は男やねんな」


「なんだと?」


「ほらほら お父上が待ってるで!」


「チッ」


「言葉使いに気をつけや!台無しやで!」


「ご心配なく!私は、太夫やってたのよ!
女になりきる術は、心得てます!」



スタスタと歩く彩華に


〝も少し淑やかに歩かれへんやろか…〟


山崎は、心配の眼差しをむけた









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