漂う嫌悪、彷徨う感情。
「うん。 大丈夫だよ。 じゃあ、総務にWEB申請しておいてね」
「はい。 ありがとうございます」
課長に有給の申し出が通った美紗は、少し嬉しそうな表情を浮かべると、課長に頭を下げて課長のデスクを後にした。
自分のデスクに戻ろうと、またオレたちのデスクの近くを通り過ぎようとした美紗に、
「木原さん、有給取って新しい彼氏とどこかにお出掛け??」
岡本も、美紗と課長の話をしっかり聞いていて、悪意たっぷりな質問を美紗に投げかけた。
「・・・はい」
「・・・え??」
まさかの美紗の返事に愕然とした。
「・・・最ッ低。 そのままもう会社に来なくていいよ、美紗」
オレの横で小田さんが美紗を睨み付けた。
会社に来たくない美紗を、上司に掛け合って留めているのは、オレ。
美紗の返答にショックを受けながらも、美紗が小田さんに『辞めろ』と嫌味を言われるのに罪悪感を抱く。
「・・・・・・」
美紗は何も言い返す事なく、目を伏せながらオレらにも頭を下げ、自分のデスクに戻って行った。