漂う嫌悪、彷徨う感情。
美紗に『岡本さんの言う通り』『腹が立って余計な事をした』と自分の意見を全部汲み取られた岡本は、これ以上に言いたい事もなくなったのだろう『戻ろうぜ』とオレの肩を叩いた。
「何でそんな言い方するの?? 何で自分が悪いみたいに言うの?!」
岡本の手を振り払い、美紗に詰め寄る。
「じゃあ、悪いのは誰ですか?? 佐藤さんですか?? 岡本さんですか?? 小田ちゃんですか?? 3人共違いますよね??」
美紗が涙目になりながらオレを見上げた。
「でも、美紗でもない!! 悪いのは・・・」
『悪いのは真琴』などと、仕事に関係のない妹の名前を出すのは、更に話を拗れさせそうな上、美紗との約束をここで破って良いのかも分からず、咄嗟に語尾を消した。