漂う嫌悪、彷徨う感情。
「それは佐藤さんが気に病む事じゃありません。 真琴ちゃんと家族からって、四六時中一緒にいるわけじゃない。 気付かなくて当然です。 後悔なんかしないでください。 ワタシ、佐藤さんの高校生活が楽しいものだったって事が分かって嬉しいです。 本当に。 良かったって思ってます」
美紗が首を左右に振りながら、オレの懺悔を否定した。
「良くないよ!! ・・・オレ、美紗がどんな思いをしたのか知りたくて・・・聞いた事、全部してみた。 ・・・でも、無理だった。 口に土と虫を近づけただけで嘔吐したし、便器に顔を付ける事さえも、身体が拒否した。
ごめん、美紗。 本当にごめん。 ごめんなさい。 美紗がオレと結婚したくない気持ち、理解してるくせに素直に受け入れないで苦しめてごめん。 全部全部、ごめんなさい」
勢いよく美紗に頭を下げると、
「なんで?! なんでそんな事するの?!! ワタシは佐藤さんに同じ思いをしてほしいわけじゃない!! 佐藤さんに苦しい思いをしてほしいわけじゃない!!」
美紗がオレの両肩を掴んで揺らした。
オレを揺すった振動で、美紗の目から涙が零れ、スカートに染みを付けた。