漂う嫌悪、彷徨う感情。

「・・・・・・慰めてもらったんですよね。 小田ちゃんに」

美紗が、肩で呼吸をしながら泣く。

「・・・・・・は?? え?!! 何もない!! それこそ何っにもない!! 頭撫でてはもらったけど、それだけだし!!」

いつの間にか、立場が逆転。 何故かオレの方が疑いの目を向けられている。

「・・・正直に言っても大丈夫ですよ。 ワタシ、大丈夫ですから」

美紗が心を決めたかの様に、胸に置いた手に更に力を入れた。

「イヤ、本当に!!」

美紗の目の前で両手の平を左右に振って『違う違う』と打ち消す。

「・・・・・・そうですか」

と、言う美紗が、納得している様には見えなかった。

「美紗、全然信じてないじゃん!! オレ、まじで潔白なのに!!」

「・・・・・・大人なのに、頭撫でてもらって終わり??」

さっきのオレの乾いた笑いを完コピしたかの様に、美紗が泣きながら『ふっ』と息を漏らした。
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