漂う嫌悪、彷徨う感情。
電車の中で良い案を捻り出す事は出来ず、一旦この事は頭の隅に置いて置く事にして、2人で美紗の実家まで歩く。
この近くを会社の人間が歩いている可能性は低い。
手、繋ぎたいな。 と、そっと美紗の右手に自分の左手を触れさせると、
「・・・繋いでもいい??」
と、質問をしておきながらオレの返事も待たずに、美紗から指を絡めてきた。
「もう繋いじゃってるし」
『ははは』と笑いながら美紗の手を握り返すと、
「待てなかった」
『へへへ』と美紗も笑い返した。
幸せだなと思った。
幸せは確かに今、オレの手の中にある。
今日はこの幸せをお義母さんに見せて、安心させたい。 たくさん心配かけたから。