青涙
「それじゃあ…」

「待って」

「お礼を求めてるんですか?
あなたが勝手にした事でしょ?」

「お礼なんか求めてません。
あなたに謝りたいんです。

ごめんなさい…」

深く頭を下げる。

「何を謝ってるんですか?」

「好きな人を…

諦めさせてしまったから…」


『彼になれなれしく触らないでもらえますか?』

『彼には彼女がいるんです。
だから、止めて下さい!』

『私は…彼女の妹なんです。
邪魔…しな…いで下さい…うっ…』


「謝ってもらっても、許すつもりはありません。
あなたのせいで、彼の近くに居る事が出来なくなりましたから」

「ごめんなさい…」

私はまた深く頭を下げる。

「私…彼の事諦めてません」

「えっ?」

「正確に言えば…
諦められないんです…」




「私…あなたに彼に彼女が居ると教えられる前に告白したんです。でも、ふられました」

「そう…だったんですか…」

「ふられたから、諦めよう…。
何度も思ったのに…
無理だった」




「好きなの…。
彼、以外なんて
考えられない…」

「どこが…好きなんですか?」

「私の容姿に…興味がないところかな?」
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