空にとけた夜の行方。
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白い光の眩しさに、意識が覚醒した。
「んん……」
喉から間の抜けた音を出しながら、私はゆっくり目を開ける。部屋を満たしていたのは、朝陽の明るすぎる光だった。
カーテンが、開いているらしい。お母さんが開けたのだろうか。
「みよ、ちゃんと布団で寝なさいって言ったでしょう」
むくりと身を起こした私に、お母さんが咎めるような声をかける。
そうか、昨夜はあのまま眠ってしまったんだ。オーブンにはきっとカップケーキが入りっぱなしだろう。少し、失敗した。
けれど私は、キッチンよりも先に、窓の方へと向かっていた。それは無意識とでも言うのだろうか、特に明確な理由はなかったのだけれど。
そこに広がる空は、澄んだ水色をしていた。当たり前、なのだけれど。眠りに落ちる前に在ったあの色を思い出してしまうと、不思議な気分になる。
あの、色は。色んなものを内包したような闇色は、何処へ行ったのだろう。私の心を写していたような色は、何処へ?