キミと私の好きなヒト
実加と私が似ている……?
三木くんはどこを見て言っているの。
「私と実加はちっとも似てないよ。
三木くん以外は間違えたりしないし、こんなに似ていない双子はいないと思う」
見た目も、好みも、表情も、性格も。
違うところばかりいくつもあげられて、ふたりは似てないねと何度も言われてきた。
昔からずっと、ずっとそうだったんだから。
「でも、ふとした瞬間ふたりの雰囲気が重なるよ」
「そんなの……」
否定を重ねようとした私の唇に手を当てて黙らせて、彼はそっと口にした。
「なによりも、お互いのことが好きなところが似ているんだ」
「っ、」
ひくりと震えたのどに、心が声と一緒に引っかかった。
返す言葉を持っていない私は視線をその場に漂わせて、戸惑いを隠せない。
嬉しかった。
三木くんの言葉が、実加以外から告げられる想いが、嬉しかった。