キミと私の好きなヒト
大切で、どこか妬ましい双子の片割れ。
私とは違って眩しくて、優しくて、羨ましくて仕方がない。
そんなキミのことを誰よりわかっている自信はあるのに、あまりにも釣り合わない自分に不安になって。
だから、三木くんから見て私たちがお互いを好きだということが、伝わっていることが、こんなにも胸をあつくさせる。
知っていた、だけどふとした瞬間に気になる実加からの確かな想いだけで、少し胸を張れる気がする。
「理加?」と三木くんが私の名前を呼んだ。
あふれる想いから言葉を選び取ることができない。
実加と似ていることが嬉しいなんて、おかしなことだって知ってる。
普通なら双子は似てないところを求めるものだって。
でも、私たちはあまりにも似ていないから。
『お互いのことが好きなところが似ているんだ』
彼の言葉に素直に心は跳ねあがり、驚くほど嬉しかった。
そして嬉しいと思う自分にまた驚いた。
私はやっぱり実加が好き。
その気持ちが、私が辛い時に支えてくれる。
そう思いながら、目の前の三木くんを見つめた。
どうかした? と首を傾げた彼の動きにあわせて柔らかそうな髪が揺れる。