意地悪な片思い
ゴキュ。ビールを飲む。
そんなにお酒強くないけれど、でも今は飲むしかない。
食べるか飲むか、それに徹している私は
隣で盛り上がっている彼らの話を聞いていた。
飲むのは初めてのはずなのにすっかり打ち解けた様子の長嶋さんと内川くん。
注文がテーブルに並べられて10分、既に長嶋さんの頬はほんのり赤い。内川くんも内川くんで、普段よりも声を大きくさせいっぱい喋ってる。
盛り上がってる二人にずかずか入っていくのも、
かといって、速水さんと喋るのも…。
一緒にした仕事以来だと思う、こんな近くに彼がいるのは。
3週間ぶり…
変なの、
告白される前は顔を見合わせないことの方が当たり前だったのに。
今は彼の表情が見れて、
あ、速水さんだ…って
なんとも言えない感情を抱いた私も若干いる。
まぁでもその3週間の間何も彼からコンタクトがなかったのを見ると、告白とか今までの一連のことは彼の気まぐれだったって考えられる。
でも相当速水さんの意地悪が効いてるのかな、
少しだけ、少しだけね。
寂しいって感情も、ある…かな。
一緒に飲むことになったこととは別問題としてね。