意地悪な片思い
それから数日彼と直接話す機会はないままただ目がたまにあうだけで、会議室の整理を最後に仕事を終えた私はオフィスの扉を開けた。
長嶋さん、長嶋さん……はいないと。
上司の長嶋さんに掃除が終わったことを報告しようとしたのだが、いるはずの席は空。パソコンのウィーンという音だけで、長嶋さんだけではなく誰もオフィス内に今はいなかった。
誰もいないしついでに
ゴミ箱の回収ここのもしちゃうか。
手に持ったゴミ袋を片手に、私は同じ部署の人が足元に置いているゴミ箱と共同スペースのゴミ箱の中のものを回収する。
シュレッダーの細かなゴミから始まり、紙やら昼食のごみなど今集めているのは可燃ごみ。それでもゴミ袋にはまだ余裕があった。
給湯室、掃除したのかな。
することがないからと私はそこへ向かった。
歩くたび、ガサガサゴミ袋が音を立てた。