意地悪な片思い

「来ないか…」
 前ならこうやって油断していたらいつの間にかやってきていて、からかい口調で私を弄んでいくから、あわてて私は逃げていく。

少しだけ…後ろ髪をひかれながら、
私は逃げていく。


ばか。だから私が悪いんだろって。

私こんないじけた奴だったっけな、何だらだら文句垂らしてんだろう。避けずにちゃんと思ってること吐けばよかった。

そしたらきっと今にその空いているドアからひょっこりきたんだろうな。

「市田、お疲れさま」って―――。

なんてね。
私は紙コップをゴミ箱にいれると、眺めていた扉に背を向け手を洗い始めた。


「お疲れ。」


……え?

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