意地悪な片思い
「お疲れ様でしたー。」
先に上がっていく先輩方を見送り、私はふう~と息をついた。
寒いしコーヒー飲んじゃおうかな。あと一息、あとひといき、自分で自分を励ますように給湯室へ向かう。
う~ん、頑張ってあと2杯分ってところだな。
確認したコーヒーポットのメモリは半分よりも下。作ろうか作らまいか非常に微妙なライン。私は観念して、普段よりも少なめに自分が飲む分を取り分けた。
「はぁ。」
口元に当てたコップから白い湯気がもくもくと上がる。
おいしいなぁ。どうしてこう、仕事の合間のコーヒーって格別なんだろう。
家で飲むコーヒーが一番下で(家で飲む時は大抵、朝仕事行きたくないなって時に気合い注入として飲むことにしているから)
おしゃれなカフェで飲むのがその次、仕事が一段落着いた時に飲む給湯室のが一番上。
あ、一個重要なのを忘れてた。
あの缶コーヒーも同じくらい好きだ。
憧れの人からのお疲れ様コーヒーはたまらないじゃない?
だから給湯室のコーヒーと缶コーヒーとで同率一番ってことになる。
って何私順位づけしてんだろう。
最後の一口をずずっと飲み干した。