婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
「やり方汚ねえんだよ。そんな約束したこと、俺には一言も言わないで、合併済ませて半年経ってから『実は……』なんて。完全に逃げ道断った状態で、姑息だろうが。息子の人権なんだと思って……」
「くだらない遊びの女だけを無駄に増やしていく息子に、なにが跡継ぎだ、人権だ」
「なっ……!」
社長は樹さんに蔑むような視線を向けてシレッと言いのけた。
その言葉はそれほど的を外れていなかったのか、樹さんの方が声を飲み込む。
「若いうちならそれも目を瞑ったがな。樹、お前ももう来年二十八だろう。私がこの会社を継いだ年だ。いい加減、春海の跡取りとしての自覚を持て。帆夏さんとの縁談は、腰を据えるにはいいタイミングだろう」
樹さんと同じように早口で畳み掛ける社長。
けれど、そこには日本経済を支える一企業の社長としての風格というか、親としての絶対的な権力を感じる。
それを感じたのは樹さんの方も同じだったんだろう。
彼はムッとした表情を浮かべただけで、キュッと唇を噛み締めた。
「なんのメリットにもならないその辺の女相手じゃなく、どうせなら、会社にもお前の人生にも有益な方に種を撒け」
「なっ……それが親の言うことかよ……」
冷酷と言ってもいいくらい経営者の顔を見せる社長に、樹さんは、切れるんじゃないかと心配になるくらい唇をきつく噛み締めた。
「くだらない遊びの女だけを無駄に増やしていく息子に、なにが跡継ぎだ、人権だ」
「なっ……!」
社長は樹さんに蔑むような視線を向けてシレッと言いのけた。
その言葉はそれほど的を外れていなかったのか、樹さんの方が声を飲み込む。
「若いうちならそれも目を瞑ったがな。樹、お前ももう来年二十八だろう。私がこの会社を継いだ年だ。いい加減、春海の跡取りとしての自覚を持て。帆夏さんとの縁談は、腰を据えるにはいいタイミングだろう」
樹さんと同じように早口で畳み掛ける社長。
けれど、そこには日本経済を支える一企業の社長としての風格というか、親としての絶対的な権力を感じる。
それを感じたのは樹さんの方も同じだったんだろう。
彼はムッとした表情を浮かべただけで、キュッと唇を噛み締めた。
「なんのメリットにもならないその辺の女相手じゃなく、どうせなら、会社にもお前の人生にも有益な方に種を撒け」
「なっ……それが親の言うことかよ……」
冷酷と言ってもいいくらい経営者の顔を見せる社長に、樹さんは、切れるんじゃないかと心配になるくらい唇をきつく噛み締めた。