婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
だけど、青木さんが続けた言葉で、どうやらそんなニュアンスではないことはちゃんとわかった。


「本気を受け止めてもらえないまま、アイツの遊び道具にされたらどうするのよ?」


それを聞いて、私は思わず口籠ってしまう。


「言ってる意味わかんないわけじゃないよね? つまり、身体だけの関係……ってことだよ」


さすがにオフィスで大きな声で言えないからか、青木さんは身体を起こして私との距離を狭めると声を潜めた。


青木さんがどうしてそんな心配をするのか。
それは私にも想像出来る。


同じオフィスで樹さんのつれない態度を見てきてるから、彼が私に『優しく』するのには裏があるとでも思ってるんだろう。
そして樹さんに盲目の私は、その裏を見せられてもきっと表だと信じ込むって。


そうかもしれない。
私は今もまたこうやって、彼の言動のすべてを自分に都合のいいように解釈して、浮かれて喜んでるだけかもしれない。


でも。


「……好きな人が、まっすぐ向かい合って言ってくれた言葉なら、無条件で信じられるじゃないですか」


俯いて、私は自分の手元をジッと見つめた。


私が昨日途中まで作成して、今朝、樹さんが朝一番で確認してくれた航行管理書。
赤字の多さは私の出来が悪いからこそだろうけど、樹さんがちゃんと確認してくれたからこそ付けられるものだ。
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