婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
三十分後、出向いた社長応接室に用意されていたのは、立派なフランス料理のフルコースだった。
ここに来るまでの短時間で樹さんが説明してくれたけれど、重役クラスだけが集う『機密会議』は、情報漏洩対策の為に、こうやって社内で高級レストランからランチやディナーをケータリングして行っているらしい。
オフィスの一角らしからぬ広く立派な応接室で、ゴージャスなランチに彩られたテーブルに、社長と、今は春海海運で副社長を務める父が並んで座っていた。
私の父がいることは予想していなかったのか、樹さんは入った途端にビクッと身体を強張らせて足を止めた。
「なにしてるんだ。樹、早く入って来い」
社長にそう促されて、渋々といった様子で歩を進める背中に、私も黙ってついて行く。
私の父に軽く会釈して挨拶すると、樹さんは社長の正面に座った。
私はその隣の席につく。
向かい側はもちろん父だ。
「久しぶりだな、帆夏。どうだ? 元気にやってるか?」
業務拘束中だというのに、テーブルに並んでいる食前酒のグラスを手にしながら、まず父が私にそう問い掛けてきた。
「久しぶりって……。まだ一週間も経ってないのに」
ここに来るまでの短時間で樹さんが説明してくれたけれど、重役クラスだけが集う『機密会議』は、情報漏洩対策の為に、こうやって社内で高級レストランからランチやディナーをケータリングして行っているらしい。
オフィスの一角らしからぬ広く立派な応接室で、ゴージャスなランチに彩られたテーブルに、社長と、今は春海海運で副社長を務める父が並んで座っていた。
私の父がいることは予想していなかったのか、樹さんは入った途端にビクッと身体を強張らせて足を止めた。
「なにしてるんだ。樹、早く入って来い」
社長にそう促されて、渋々といった様子で歩を進める背中に、私も黙ってついて行く。
私の父に軽く会釈して挨拶すると、樹さんは社長の正面に座った。
私はその隣の席につく。
向かい側はもちろん父だ。
「久しぶりだな、帆夏。どうだ? 元気にやってるか?」
業務拘束中だというのに、テーブルに並んでいる食前酒のグラスを手にしながら、まず父が私にそう問い掛けてきた。
「久しぶりって……。まだ一週間も経ってないのに」