婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
チラッと横目で見遣っただけでも、ご主人も奥様もかなりハイステータスな人だとわかる。
しかも、仲良さそうでとってもお似合い。
そう思うだけで、また更に私の気持ちは沈む。


……でも。少なくとも、ここまで来てしまった以上、私は三ヵ月間、樹さんのテストに耐えなきゃいけないんだ。
ゆくゆくは妻となる婚約者としてふさわしいか。
それに合格出来るかどうかで、この先の私の人生が幸せに輝くか色褪せてくすんでいくか、両極端に変わってくる。


それなら、今私は出来る限り頑張るしかない!と自分に言い聞かせ、意を決してグランドエントランスに足を踏み出した。


コンシェルジュさんに挨拶をして、奥まったエレベーターに案内してもらう。
ゴロゴロとスーツケースのキャスターを鳴らす私に、チラッと不審げな視線を向けられたのは感じたけど、さすがに職業柄か、私がしっかり顔を向けている時は愛想たっぷりの笑顔だった。


エレベーターに一人で乗り込み、オフィスビル並みの階数まで一気に上がる。
エレベーターから降りて両端に広がる廊下の雰囲気を見ているだけなら、正直異国の高級ホテルにフラッと一人旅に出たような感覚だった。
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