婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
社内でも私と樹さんの婚約がちゃんと発表されたおかげで、お試し同居を解消して婚約者としてあのマンションで二人の生活を続けてきた。
『お前と同じ好きって感覚が、イマイチよくわからない』
あの婚約発表の後、樹さんは私に真剣な表情でそう言った。
彼が私との婚約を決めてくれた裏に恋心があったとは思わなかったけれど、初めは軽くショックだった。
だけど社長や深雪さんから聞いた話を思い出し、それが当然だと思い直した。
私とは育ってきた背景が違う。
樹さんが簡単に人に心を許さないのも、心を動かさないのも無理はない。
だから一緒にいる時、いつも樹さんの言葉や態度から感じ取ろうとした。
私の全神経を研ぎ澄まして、いつもいつも樹さんだけに集中させた。
そうして、彼の想いの断片に触れてきた。
その時々で反応は違うけど、『好き』と伝えた時、受け流したりしなくなった。
前よりずっと、いろんな表情の樹さんを憶えてこれたと思う。
はにかんだり、照れ臭そうだったり、余裕なさそうだったり。
時々、とても甘えん坊だったり情熱的だったり……。
どんな樹さんも私の宝物で、唯一どころか増えて行くばかりだ。
私の『好き』はわかりやすいけれど、樹さんの『好き』はわかり辛い。それだけ。
心や想いを伝える方法は、わかりやすい言葉だけじゃない。
『お前と同じ好きって感覚が、イマイチよくわからない』
あの婚約発表の後、樹さんは私に真剣な表情でそう言った。
彼が私との婚約を決めてくれた裏に恋心があったとは思わなかったけれど、初めは軽くショックだった。
だけど社長や深雪さんから聞いた話を思い出し、それが当然だと思い直した。
私とは育ってきた背景が違う。
樹さんが簡単に人に心を許さないのも、心を動かさないのも無理はない。
だから一緒にいる時、いつも樹さんの言葉や態度から感じ取ろうとした。
私の全神経を研ぎ澄まして、いつもいつも樹さんだけに集中させた。
そうして、彼の想いの断片に触れてきた。
その時々で反応は違うけど、『好き』と伝えた時、受け流したりしなくなった。
前よりずっと、いろんな表情の樹さんを憶えてこれたと思う。
はにかんだり、照れ臭そうだったり、余裕なさそうだったり。
時々、とても甘えん坊だったり情熱的だったり……。
どんな樹さんも私の宝物で、唯一どころか増えて行くばかりだ。
私の『好き』はわかりやすいけれど、樹さんの『好き』はわかり辛い。それだけ。
心や想いを伝える方法は、わかりやすい言葉だけじゃない。