婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
鼻先が触れそうになるくらいまで顔を近付け、その鋭い瞳で私を射抜くように睨み付けてから、樹さんは肩に置いた手で突き放すように私を離した。
パンツのポケットに手を突っ込み、じゃりっと足元を鳴らしながら、思わず地面に膝をついた私を見下ろす。
その姿を大きく振り仰ぎながら、私は……。
「ほ、本当に、好きなんです。樹さん」
ドキドキしながら反射的にそう言い返す私に、樹さんは心底嫌そうに眉を寄せた。
「生駒のそれ、すっかり口癖だな。俺の方も、もう完全耳ダコ。……そんな決まり文句聞いても嬉しくもなんともないし、グラッともこない。まあ、そうじゃなくてもお前はないわ」
そんな軽口で、いつもと変わらず私の気持ちをスルーしてくれる。
「あの……」
なんて言われても、本当に本気で言ってるのに。
抑えられない気持ちをどうしても伝えたくて、私が樹さんに告げる『好き』は、彼の顔を見たら口を突く条件反射のようだ……とは自分でも思う。
だけど、絶対嘘じゃない。
本心から言ってるのに……。
樹さんは私の言葉に更に怒り絶頂でクルッと背を向けてしまう。
「……誰がお前なんかに政略されて、結婚するか」
忌々しそうな口調で言い捨てて、しゃがみ込む私を置いて、樹さんは一人でさっさと庭園からホテルの館内に戻ってしまった。
けれど――。
パンツのポケットに手を突っ込み、じゃりっと足元を鳴らしながら、思わず地面に膝をついた私を見下ろす。
その姿を大きく振り仰ぎながら、私は……。
「ほ、本当に、好きなんです。樹さん」
ドキドキしながら反射的にそう言い返す私に、樹さんは心底嫌そうに眉を寄せた。
「生駒のそれ、すっかり口癖だな。俺の方も、もう完全耳ダコ。……そんな決まり文句聞いても嬉しくもなんともないし、グラッともこない。まあ、そうじゃなくてもお前はないわ」
そんな軽口で、いつもと変わらず私の気持ちをスルーしてくれる。
「あの……」
なんて言われても、本当に本気で言ってるのに。
抑えられない気持ちをどうしても伝えたくて、私が樹さんに告げる『好き』は、彼の顔を見たら口を突く条件反射のようだ……とは自分でも思う。
だけど、絶対嘘じゃない。
本心から言ってるのに……。
樹さんは私の言葉に更に怒り絶頂でクルッと背を向けてしまう。
「……誰がお前なんかに政略されて、結婚するか」
忌々しそうな口調で言い捨てて、しゃがみ込む私を置いて、樹さんは一人でさっさと庭園からホテルの館内に戻ってしまった。
けれど――。