婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
濡れた髪をタオルでワシャワシャと乱暴に拭きながら、樹さんがちょっと呆れたような声で言った。
「明日になって間違い探しする方が時間食いそう……」
「そ、そんな! 大丈夫です。ちゃんと青木さんにも見てもらったし……!」
「嘘だよ。冗談抜きで助かった。……サンキュ」
「っ……」
私の方に目を向けてはくれなかったけど、自然にサラッと樹さんの口から出た短い謝意の言葉。
私はゴクッと喉を鳴らしながら、大きく目を見開いて彼を見つめてしまった。
そんな私に、タオルを肩に掛けながら、樹さんが怪訝そうに首を傾げる。
「……なに」
「今、樹さん、私に『サンキュ』って……」
「俺は礼も言えない男じゃないぞ。……それに、まあ実際身体はキツかったし、早めに医者に行けたのは助かった。おかげで明日は通常通り出勤出来そうだしね」
肩を竦めながらそう言って、樹さんはベッドにドスッと腰を下ろした。
そして私を上目遣いに見上げて、ますます訝しそうに眉間の皺を深めた。
「……で、そこで泣かれる意味がよくわかんないんだけど。俺」
「だ、だってっ……! 樹さんが私にお礼言うなんて、あまりにレアで。録音して目覚ましアラームにしたいくらいでっ……!!」
「バカか。そのくらいで」
頬に涙を伝わせる私に、心底呆れ顔でがっくりと肩を落としてから、樹さんはゆっくり顔を上げた。
「明日になって間違い探しする方が時間食いそう……」
「そ、そんな! 大丈夫です。ちゃんと青木さんにも見てもらったし……!」
「嘘だよ。冗談抜きで助かった。……サンキュ」
「っ……」
私の方に目を向けてはくれなかったけど、自然にサラッと樹さんの口から出た短い謝意の言葉。
私はゴクッと喉を鳴らしながら、大きく目を見開いて彼を見つめてしまった。
そんな私に、タオルを肩に掛けながら、樹さんが怪訝そうに首を傾げる。
「……なに」
「今、樹さん、私に『サンキュ』って……」
「俺は礼も言えない男じゃないぞ。……それに、まあ実際身体はキツかったし、早めに医者に行けたのは助かった。おかげで明日は通常通り出勤出来そうだしね」
肩を竦めながらそう言って、樹さんはベッドにドスッと腰を下ろした。
そして私を上目遣いに見上げて、ますます訝しそうに眉間の皺を深めた。
「……で、そこで泣かれる意味がよくわかんないんだけど。俺」
「だ、だってっ……! 樹さんが私にお礼言うなんて、あまりにレアで。録音して目覚ましアラームにしたいくらいでっ……!!」
「バカか。そのくらいで」
頬に涙を伝わせる私に、心底呆れ顔でがっくりと肩を落としてから、樹さんはゆっくり顔を上げた。