婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
「さっき……間違ってたな、って感じた」
「……え?」
一瞬なにを言われたのかわからず、私は何度か瞬きをした。
樹さんは広げた膝の上に肘をついて、顔の前で両手指を組み合わせた。
「……どんなに意地悪なこと言っても。冷たい態度でへこませて、傷付けるつもりで言った悪意だらけの言葉でも。……全部プラスに変換して、いい方向に解釈しちまうんだ。生駒、お前は」
樹さんはゆっくりと自分に含ませるみたいにそう言って、一度言葉を切った。
そして、組み合わせた指の向こうから、私をジッと見つめてくる。
「能天気だから出来る特技だろうけど……お前に掛かれば、言った方の毒気も抜かれる。そういうの、素直にすごいと思ったよ。俺」
「……っ」
言われてる途中までは、樹さんがどういうつもりで言ってるのかわからなかった。
だけど、向けられた瞳が今までになく優しかったから。
私の鼓動は飛び跳ねて、胸がドキドキと騒ぎ出す。
「俺の意地悪に傷付いて、離れていくの待ってたのに。……なにやっても無駄なんだろうな~って、思い知ったわ。天然相手に意固地になろうって方が、疲れるよな~……」
樹さんはそう言って肩を竦めて溜め息をついた。
その言い方と仕草だけなら、本気で呆れ果ててるようにしか見えないけれど。
「……え?」
一瞬なにを言われたのかわからず、私は何度か瞬きをした。
樹さんは広げた膝の上に肘をついて、顔の前で両手指を組み合わせた。
「……どんなに意地悪なこと言っても。冷たい態度でへこませて、傷付けるつもりで言った悪意だらけの言葉でも。……全部プラスに変換して、いい方向に解釈しちまうんだ。生駒、お前は」
樹さんはゆっくりと自分に含ませるみたいにそう言って、一度言葉を切った。
そして、組み合わせた指の向こうから、私をジッと見つめてくる。
「能天気だから出来る特技だろうけど……お前に掛かれば、言った方の毒気も抜かれる。そういうの、素直にすごいと思ったよ。俺」
「……っ」
言われてる途中までは、樹さんがどういうつもりで言ってるのかわからなかった。
だけど、向けられた瞳が今までになく優しかったから。
私の鼓動は飛び跳ねて、胸がドキドキと騒ぎ出す。
「俺の意地悪に傷付いて、離れていくの待ってたのに。……なにやっても無駄なんだろうな~って、思い知ったわ。天然相手に意固地になろうって方が、疲れるよな~……」
樹さんはそう言って肩を竦めて溜め息をついた。
その言い方と仕草だけなら、本気で呆れ果ててるようにしか見えないけれど。