恋愛の始め方
いつものように、いつの間にか寝落ちしていた。

隣で眠る間宮を起こさないよう、そっと起き上がる。

シャワーを浴び、再び部屋に戻ってきても間宮は寝ている。

今日、あたし日勤なんですけど。

そろそろ出ないと、間に合わなくなる。

でも、起こすのも可哀想な気もする。

せっかくの休暇なわけだし、そのまま寝させておくか。

そう思い、スペアキーをテーブルに上げ、あたしは部屋を出た。


「志乃」


病院の入口で、声を掛けられた。


「直哉」

「話がある」


それは、こっちもだ。

大きな病院の跡取りが、臨時で救命の医師をしてるか?

あたしからしたら、不思議で仕方ない。

でも、これから仕事だ。

話している時間なんて、ない。

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