恋愛の始め方
「あたしも、話したいことがある。でも、今は時間ない」

「俺もだ。これから、うちの病院に顔出さなきゃいけねぇ。だからお前の仕事が終わったら、うちの病院に顔出せ」


それは、それ嫌なんですけど。


「そう、嫌そうな顔すんな」

「だって、嫌なんだもん」


そんなあたしのことを、直哉はフッと笑った。


「外で話すより、うちの病院の方が手っ取り早い」


何が、手っ取り早いのよ。


「じゃ、後でな」


人の返事も聞かず、直哉は病院を後にした。

もう、なんでこうあたしの周りは勝手な人が多いのだろうか?

行くなんて、あたしは一言も言ってないんですけど。

あたしは盛大なため息を零し、自分の仕事へと向かった。

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