恋愛の始め方
「それで、殴って謝ったのか?」


直哉は、あたしに尋ねる。


「いいえ」

「謝ることも出来ないのか?」


あたしが悪いなら、あたしだって謝ることは出来る。

だけど、殴られるような原因を作ったのは菅原だ。


「謝るとしたら、殴られるようなことを口にした菅原先生の方が先だと思います。先に、プライベートを持ち込んだのはそっちですから」

「でも、手を出したのはお前だろ」


それは、そうだけど。

でも、あたしにだって譲れないことはある。


「人殺し」


あたしは、直哉にその言葉を言い放つ。

人を助ける場所で、何て不謹慎な言葉を言っているのか、理解はしてる。

でも、先にその言葉を言い捨てたのは菅原だ。

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