恋愛の始め方
自宅までの道のりを歩いていると、クラクションの音が耳に届く。

周りをキョロキョロと見渡すと、そこには見覚えのある車が止まっていた。

運転手と目が合い、動かないあたしのことを手招きする。

行かなきゃ良いのに、勝手に足が彼の元へと向かってしまう。

そんな自分が愚かで、バカな女だと思い知らされる。

あたし、重症かもしれない。

気付かぬうちに、あたしは勝手に恋に落ちていた。

幸せのない恋に落ち、溺れ掛けていたことにも気付かず、泳ぎすぎた。

割り切った、関係。

それが、あたし達の関係を保つに必要なルール。

そのルールを守れなくなりつつある今、この関係を終わらせなきゃイケない。

始めなければ、良かった。

そう思う日が来るなんて、あの時はこれっぽっちも思わなかった。

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