恋愛の始め方
車へと近づくと、助手席の窓が開けられる。


「乗れよ」


その言葉に、あたしは素直に頷いてしまう。

車内に乗り込み、彼、間宮の独特の香りに包まれる。

これが最後だと思うと、やっぱり切ない。

そしてあっという間に、間宮のマンションへと着く。

慣れたように中に入り、間宮の様子を伺う。

ソファに座った間宮に合わせ、あたしもいつもの場所へと腰を下ろした。


「いくら、包めば良い?結婚祝い」


鼻で笑いながら、間宮は尋ねる。

結婚祝い?

あたし、結婚しないし。


「言えよ。そしたら、そんな困ったような顔しなくて済んだのに」


あたし、困った顔してるの?

でも、確かに今は困ってる。

間宮に、どう説明すれば良いか?わからずに。

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