恋愛の始め方
__グイッ__


握っていた手を、間宮に引っ張られ、あたしは間宮の胸に包まれる。


「そろそろ、潮時か」


頭上から聞こえた言葉に、胸が張り裂けるかと思った。

言おうと思っていたが、言われた言葉。

言うのと言われるのは、どちらが苦しかったんだろう。

言われたあたしには、言う方の痛みはわからない。

だけど言われてこんなに苦しいなら、あたしは終わりを切り出すことさえ出来なかっただろう。

この温もりに、もう触れることは出来ない。

そう思えば、離れたくないと思ってしまう。

このまま、時なんて止まってしまえ。

そんな愚かな夢まで、抱いてしまう。

あたしは、ゆっくりと深呼吸をする。

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