恋愛の始め方
「俺ら、これから熱い夜だから。伊藤さんのこと送ってやれよ、侑吾」


そう言うと、宮里はかなと歩き出す。


「呆れる」


彼らの背中に、間宮はそんな言葉を零す。


「送ってくれなくても良いですよ。たぶん、家遠くないで」

「たぶんって何だよ」

「引っ越してきたばっかで、土地勘ないんです」

「なら尚更、送ってやるよ」


大丈夫だ。って、言ってるのに。

それより、飲み過ぎた。

酒は嫌いじゃないが、酔った時のあたしは面倒だ。

無性に、淋しさが襲う。

そんな自分に呆れるが、いい年になっても上手くコントロール出来ない。

それをアルコールのせいにして、いつも逃げて来た。

そして今夜も、あたしはまたバカなことをしてしまう。

それに気付くのは、いつだってアルコールが抜けた後。

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