恋愛の始め方
彼もアルコールが入って訳で、正常ではなかっただろう。

あの冷静で的確な彼が、正常なら成り行きとは言え、こんなことにはならなかっただろう。

昨日初めて見た彼の仕事ぶりを思い出し、1人納得する。


「俺、そこらの男と違って忙しいから、デートの約束とか出来ねぇけど」

「自分にも責任あるんで、責任取れなんて要求しないんで」


あたしの言葉に、彼は真っ直ぐにあたしのことを見る。

そして、フッと小さな笑みを零す。


「なら、俺が責任取って貰おうかな」


は?

今のあたしは、きっとアホ面をしているに違いない。

だって、予想外の展開に頭が付いていっていないのだ。

彼はあたしが居るベットに近付き、腰を下ろす。

< 24 / 404 >

この作品をシェア

pagetop