恋愛の始め方
そして優しく髪を撫でると、頭を押さえてキスをする。

突然のことに、目を閉じることすら忘れた。

ゆっくりと顔を離すと、また真っ直ぐにあたしの瞳を捕らえる。


「昨日の感じだと、俺ら相性は悪くないだろ」


何をサラッと、卑猥なことを口にしているのだろうか。

彼の言葉で、昨日のことが蘇る。

誘ったのは、あたしの方だ。

それに、彼は付き合ってくれた。

彼の言うように、今までで1番相性が良かったと思う。

って、何あたしは思い耽っているのだろう。


「だったら」

「俺は、お前に任せるよ。お前が来たい時に、俺のところに来ればいい」

「忙しいって、言ってなかった?」

「あぁ、俺は忙しいよ。でも同じ職場なら、俺のシフトくらい把握出来るだろ」


彼の言う通り、出来るだろう。

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