恋愛の始め方
あたしは、小さな笑みを浮かべる。


「陸。あたし、陸のこと嫌いな訳じゃない」


浮気した陸のことを悪者にして、自分のことを正当化しようとしてただけ。

元カレに浮気されて、ワンナイトに走った自分のことを。


「じゃ、また・・・」

「ごめん。もう、無理だよ。あの頃には、戻れない」


過去になんて、誰も戻ることなんて出来ない。

それに、今のあたしは戻りたいと望まない。

だって過去に戻ってしまったら、彼との時間が消えてしまう。

そんなの、嫌だ。

彼の中に、あたしの存在が消えてしまっても構わない。

でも、あたしの中にある彼との時間だけは、大事に残しておきたい。

あたしだけの、彼との時間。

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