恋愛の始め方
「ありがとうございました」

「もし痛み強くなるようなら、また来て」

「はい」


診察が終わり、近くに在った椅子へと腰を掛ける。

疲労にプラス、足の痛みで無気力になる。

少し、ここで休もうかな。

そう思い、瞳を閉じた。


「おい」


声と共に揺れた身体に、ゆっくりと瞳を明ける。

暗かった院内が、明るくなっている。

あたし、どれくらい寝てたんだろう。


「何してんだ」


聞き覚えのある声に、確認しなくても誰だかわかる。


「休憩?」

「疲れてんなら、家で寝ろよ」


呆れたように、当たり前のことを言われる。

こっちは、動くのも面倒なんだよ。

足だって痛むし。

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