恋愛の始め方
間宮の瞳に映る自分が、凄く惨めに見える。

泣きたくなんかないのに、気付いたら涙が溢れていた。

あたしの涙を見た間宮の力が緩んだ隙に、あたしは顔を逸らす。

そして頬に伝う涙を、乱暴に拭った。


「あたし、歩いて行くんで大丈夫です」


これ以上、惨めになりたくない。

これ以上、カッコ悪い姿を間宮に見せたくない。

そう思い、あたしはドアノブに手を掛ける。

そんなあたしの手を、間宮が遮る。

ギュッと掴まれた手から、間宮の温もりが伝わって来る。

それだけで、胸が苦しくなった。


「なぁ。そんなに嫌か?俺のこと」


・・・ズルい。

そんな聞き方、ズル過ぎる。

嫌なわけ、無いじゃん。

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